kohaku『琥珀のまたたき』/小川洋子/講談社/1500円+税外部リンク 
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一番下の小さな娘を亡くした母親は、3人の子どもを連れ、父親にゆずられた別荘にやってくる。
3人は別荘の壁の中で、いままでの名前を忘れ、小さな小さな声で合唱し、父の残した図鑑を学習し、独特のゲームを考えては遊んで、3人と母親だけで完結した世界を作る。

仕事をする母以外は外部との接触を一切持たず、壁の外に出ることは禁止されている。壁の外には、小さな妹を奪った、恐ろしいものがいるのだから。
別荘に来たとき、3人は図鑑の中から、新しい自分の名を選んだ。
弟たちの面倒をよく見、庭でバレエを踊る長女はオパール、図鑑の余白に絵を描くようになる長男は琥珀、やがてオルガンを上手に弾くようになる小さな弟は瑪瑙。

3人と母の、静かな池のような生活に、でも時折外部からの風が吹き付け、さざなみがたつ。
別荘の上を飛ぶヘリコプター、自転車で裏口からやってきたよろずやジョー。

そして3人が「発見」される日がやってくる。

小川洋子の世界。
静かな美しい物語。
そしてその静かな美しさの後ろに、密やかな怖さのある物語。

東急プラザ戸塚店・MT
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