


「ドミトリーともきんす」は高野文子が描く「科学の読書のすすめ」である。
不思議な学生寮「ともきんす」のお二階には寮生さんが四人。
トモナガ君、マキノ君、ナカヤ君、ユカワ君。
言わずと知れた朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹。四名の著名な科学者たちである。
うどんと鏡、コーヒーと雨上がり。身近な話題から静かにひろがる物理科学、自然科学の世界。
本誌内に模写された牧野富太郎の「ウメ」の精密画を観に高知県立牧野植物園に行ってみたくなったけれど遠方につき「ちくま学芸文庫の植物記」から読んで見ようかと……そんな気持ちにさせてくれる一冊です。
この一冊から始まる「本の旅路へ」出かけてみてください。
文/ ラスカ小田原店・MI
