


1944年6月のノルマンディー降下作戦から欧州戦線の終わりまで、実際の第二次世界大戦の欧州戦線の戦況を軸として、19歳のアメリカ人志願兵の目線で語られる物語。
すでに「本の泉」で2度紹介された名作、3度目の紹介です。
語り口は戦場の臨場感にあふれ、
さながら
彼らと共に従軍している気持ちで満たされます。
語り手は戦場のコックとして
隊員たちの食事管理を第一任務とする特技兵で、
彼らのモットーは『勝利を支えよ!』
敵陣へパラシュート降下する直前の、
この言葉を全員で唱える描写にたわいなくしびれて、
勝利へ貢献したいと思ってしまう。
読み手の私が主人公と重なり
主観の目線を持った瞬間でした。
でも降下の先には戦争の現実がある。
勝利したい、誰かの役に立ちたい、
先に進みたい、仲間といたい、
攻撃を回避した安堵、恐怖
大きな流れに抗うことができない無力感…
紐解いてから読了までの2週間、
本を手にしていない時も
この物語の戦況について人々について
考えてしまう日々を過ごしました。
エピローグが絶賛されている本書ですが、
最後の最後まで当事者として読み進めていた私は
ただただ終わりの寂しさで胸がいっぱい。
二度目を読み返して
ついに感動に触れることができた物語でした。
文/ トレッサ横浜店・RM
