『サブマリン』／伊坂幸太郎／出版社／1,500円＋税
伊坂幸太郎さんの作品の中でもとりわけ好きな１冊『チルドレン』の続刊が、12年ぶりに発売されました。
12年ぶりだなんて思えないくらい記憶に残っている『チルドレン』はやっぱりすごい！と思いつつ、ワクワクしながら発売日に即購入、即日に読み終わってしまいました。
だって、あの陣内（最高の登場人物です）が、あの頃とまったく変わってなくて、また会えた嬉しさだけで、読書がすすむ！すすむ！のです。
家裁調査官と少年たちの物語で、事件をめぐってつらく重いテーマを扱っているのにも関わらず、小気味よいテンポで物語は進みます。
物語を追ううちに、登場するどの少年たちのことも憎むことができなくなります。
取り巻く大人たちの迷いや思いの複雑さにもどんどん共感していきます。
最後まで気持ちよいリズムを味わうように読めるのに、心にずっしり残る深い後味。
伊坂作品の中でまた一つ、大好きな作品が増えました。
前作である『チルドレン』をまだ読んでいない方は、幸福だ！
ぜひ、この新作と合わせて、陣内ワールド（とにかく素敵な奴なんです！）をご堪能ください。
文／
テラスモール湘南店・NJ
