


原田マハさんの本領発揮のアートを主体とした作品が
ついに刊行された。
原田さんの作品はラブストーリーも素敵だが、
『楽園のカンヴァス』をはじめとする美術作品もスリリングで
どきどきさせられて大好きだ。
本書も期待どおり!読み始めるとページをめくる手が止められず、
もったいないが「あっ」と言う間に読み終わってしまった。
未だに終わらない世界各地での内戦やテロ事件に対する怒りや憤りを
あらためて見つめ直させてくれる素晴らしい内容である。
ピカソが生きる時代とヒロイン瑤子が生きる現代、パリ、スペイン、ニューヨークを
結ぶ壮大な美術サスペンスは、読み手を間違いなくぐいぐいとひきこんでいく。
これまでピカソに興味のなかった私もこの小説のおかげでピカソについて
知りたくなった。
いつか本物のゲルニカを見てみたい。
文/ ルミネ横浜店・KO
