311『オーブランの少女』/深緑野分/東京創元社/740円+税外部リンク 
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美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。

ミュゲ(スズラン)、イリス(アヤメ)、ダンディリオン(タンポポ)…。
花の名前を付けられた少女たちは、なぜこの庭園のある館につれてこられたのか。
まずはその何とも言えない色合いの装丁に惹かれて手に取り、一話目の少女たちのあやうい耽美な不完全さに引き込まれ。

久々の短編集なのでゆっくり読もうと思っていながらも、途中でページを閉じることができずに一気に読了。

意識していなかった伏線が徐々に現れ、一冊読み終えたときにはきれいに回収されている。
本当にこれがデビュー作なのかと思うほどの完成度です。

直木賞候補作となった『戦場のコックたち』詳細 を読んだ方も多いと思いますが、長編とまた違った楽しみ方ができるこの短編集もおすすめです。

美しさと残酷さを持ち合わせた、少女たちの世界へようこそ。

文/ 町田モディ店・MH
 
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