330『ぼくのメジャースプーン』辻村深月/講談社/770円+税外部リンク 
有隣堂の在庫を探す
「書き終えるまで決めていたのはただ一つ、〈逃げない〉ということ。-私の自信作です。」
そう作者の辻村深月はのちに言っています。
まさにそれは読者にとっては、“読み終えるまで〈逃げられない〉物語 ”でもあります。

ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんは、ショックのあまり心を閉ざし言葉を失ってしまいます。小学四年生のぼくは、何の反省もしない犯人を許すことができず、ふみちゃんのためにできることを、考え苦しみます。
そして…。

ぼくはふみちゃんのために、二度とつかわないと決めていた、ある“力”を使うことを決心する。そんなぼくに、同じ力を持つ秋山先生はこう言います。

「自分のエゴで、自分の都合で、時に結びつき、時に離れ、互いを必要とする気持ちに名前を与えてごまかしながら人は生きてきた。自分のための気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちをそれでも人は愛と呼ぶんです」

ぼくのとった行動は、決して“正しく”はないのかもしれない。でも“間違っている”とはっきり言えますか?
愛する人を傷つけられたとき、あなたならどうしますか?

途中でこの本から逃げたくなる気持ちを抑えて読み進めると、読んだことを後悔させないラストが訪れます。

答えのない問いに満ちている、そんな世の中だからこそ考えさせられるおすすめの1冊です。

文/ 新百合ヶ丘エルミロード店・MH






 
・2021/3/31以前の記事……税別の商品価格
・2014/2/28以前の記事……5%税込の商品価格

を表示しています。
現在の税込価格はリンク先のHonyaClub・在庫検索などでご確認ください。
----------