898『天智と天武 ―新説・日本書紀―』1巻/中村真理子 園村昌弘/小学館 /552円+税外部リンク 
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日本古代史上最も有名な事件ともいえる「大化の改新」。
「大悪人」蘇我入鹿を「正義の味方」中大兄皇子・中臣鎌足が成敗した……
本当にそんな単純な構図だったのだろうか?
物語の時代は明治、美術研究家アーネスト・フェノロサと思想家 岡倉天心が政府の許可を得て法隆寺の夢殿を調査する場面から始まる。
夢殿には千年もの間人の目に触れさせてはならぬと厳重に封印されてきた秘仏があった。
白い布で覆われ周りを抜身の刀で囲まれ、仏像の後頭部に光背を直接釘で打ち込まれていた「救世観音」。
聖徳太子をモデルにして作られたはずなのに、まるで祟りを恐れるかのように隠されていた理由は何だったのだろうか。

この作品では蘇我入鹿は平和な世を作ろうとする徳のある人物として描かれている。そして中大兄皇子をそそのかして入鹿を討たせる中臣鎌足は百済の皇子として描かれ歴史の通説とは異なる話で出来ている。
歴史の通説に大胆な新説で挑戦した作品なのである。

全11巻、読み終わると歴史書でいろいろ調べたくなってしまうかもしれない。

文/ アトレ新浦安店・MT
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