146『この世界の片隅に』上巻/こうの史代/双葉社/648円+税外部リンク 
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太平洋戦争前後の広島を舞台に
絵を描くことが好きで、
「よく人からぼーっとしていると言われる」
今で言う天然な主人公すず。

戦争中だろうとも、いつの時代も変わらぬ家族の姿。

とくにすずがいろんな意味で素晴らしい。
小姑から実家に帰れと嫌みを言われてるのに、
気づかないで、逆に喜んでしまう、驚異の鈍感力。
井戸に水を汲みにいけば、まるでドリフのような展開に。。

 
でもとにかく、誰に対しても優しく、
世間から蔑まれているような人でも、
色眼鏡で見ず、真正面から向き合い、
自分の境遇が大変なときでも、周囲を思いやることを忘れません。

 
兄を主人公にした「すず作」の漫画。
そのタイトルなんと『鬼イチャン(おにいちゃん)』
いじめられてばかりで嫌いなはずなのに、
本当は大切に思っているんですね。 
 
最終話から本筋に戻ったとき、
時空を超えたつながりに(と、勝手に解釈しましたが)ぞくっとしました。

 
昭和18年12月から21年の2月まで、
歴史の史実も絡めて、
ひとつのエピソードが一ヶ月という設定で話が進んでいきます。

歴史を知っている現代の私は、
すず達を待っている運命にドキドキし不安に。 

最後は感動という一言では表せないくらい号泣。



ペンで隅々まで丁寧に書き込まれた絵、
漫画ならではのコマ割の表現は、読み返すたびに別の発見と感動が。


アニメを観て、ストーリーは知ってますから、
という方にもお勧めしたい作品です。

文/ アトレ目黒店・IK

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2017/5/10発行の「有鄰」紙上にて、映画評論家の町山智浩さんが『この世界の片隅に』の魅力を語ってくださいました!
Web版は下記からご覧いただけます。
 
>> 町山智浩「映画『この世界の片隅に』について」|有隣堂の隔月刊情報紙「有鄰」550号


 


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