


『リーチ先生』(集英社)はこれまで読んだ原田マハ作品の中で最高!と思えるすばらしいものでした。
そして、バーナード・リーチというイギリス人陶芸家について興味をもちました。
本書は昭和28年2月から翌29年11月末の間に、当時67歳のリーチが日本各地を巡って、窯場での制作、講演会、執筆等を行った様子を日記にしたためたものです。
主人公亀乃助のモデルと思われる複数の人物が散見されたり、九州の小鹿田での陶工たちとの生活が描かれていて、小説『リーチ先生』誕生の裏側を見られるようでおもしろいです。
小説ではやさしく穏やかな印象ですが、実際のリーチははっきりと作品の駄目出しをしたり、町中にあふれる騒音に文句を言ったり、おいしい食事に舌鼓を打つなど率直な人物です。
そして、各地の工芸品、美術品に触れ賛美すると同時に、戦後地方の伝統が失われ、誤った西洋化や工業技術が流入するのを憂いています。
日本をこよなく愛し、東西芸術の架け橋となったリーチ。
彼の思いがつめこまれ、日本各地で独自に築かれてきた芸術のすばらしさをあらためて私たちに気づかせてくれる、そんな一冊です。
文/
ルミネ横浜店・N.K
主人公亀乃助のモデルと思われる複数の人物が散見されたり、九州の小鹿田での陶工たちとの生活が描かれていて、小説『リーチ先生』誕生の裏側を見られるようでおもしろいです。
小説ではやさしく穏やかな印象ですが、実際のリーチははっきりと作品の駄目出しをしたり、町中にあふれる騒音に文句を言ったり、おいしい食事に舌鼓を打つなど率直な人物です。
そして、各地の工芸品、美術品に触れ賛美すると同時に、戦後地方の伝統が失われ、誤った西洋化や工業技術が流入するのを憂いています。
日本をこよなく愛し、東西芸術の架け橋となったリーチ。
彼の思いがつめこまれ、日本各地で独自に築かれてきた芸術のすばらしさをあらためて私たちに気づかせてくれる、そんな一冊です。
文/

