


伊坂幸太郎さんが手がける作品の多くに、死神・泥棒・特殊な能力を持った人など、通常あまり遭遇しないであろう強烈なキャラクターが登場し、高確率で殺人が起こる。
しかし、本作品では妻に愛想を尽かされたサラリーマンや電話で話すだけの相手に恋をする美容師、元いじめっ子に復讐を企てるOLなどなど……。
探せば必ずいそうな平凡な人たちが登場し、物語は淡々と進んでいく。
殺人事件はモチロン、緊迫する展開も一切ない。人との出会いや繋がりをテーマにした連作短編集だ。
テーマがテーマだけに登場人物たちは、職場や学校、家庭などで起こる人間関係での苦労が絶えない。正直、彼らに情けなさを少々感じながらも、前を向いて懸命に生きる姿に、思わず応援したくなってくる。
この作品を読んだことで、時間を超えての人々の出会いや繋がりに奇跡を感じながらも、自分自身、何気ない日常を大切にしたいと思えるようになった。
読後感はとても清々しいので、平凡な日常に嫌気がさしたり、前向きな気持ちになりたいと思う方々にオススメしたい1冊。これまでと違うタイプの小説とはいえ、絶妙な言い回しや複数の物語が上手くひとつにまとまる様は、伊坂さんらしさを垣間見ることができる。
文/
淵野辺店・KH
テーマがテーマだけに登場人物たちは、職場や学校、家庭などで起こる人間関係での苦労が絶えない。正直、彼らに情けなさを少々感じながらも、前を向いて懸命に生きる姿に、思わず応援したくなってくる。
この作品を読んだことで、時間を超えての人々の出会いや繋がりに奇跡を感じながらも、自分自身、何気ない日常を大切にしたいと思えるようになった。
読後感はとても清々しいので、平凡な日常に嫌気がさしたり、前向きな気持ちになりたいと思う方々にオススメしたい1冊。これまでと違うタイプの小説とはいえ、絶妙な言い回しや複数の物語が上手くひとつにまとまる様は、伊坂さんらしさを垣間見ることができる。
文/

