『本のエンドロール』/安藤祐介/講談社/1,650円+税
「印刷会社はメーカーです」
印象的な文章で始まる本書
印刷会社の就活説明会で主人公が言った言葉である。
本を作る印刷会社の営業・工場作業員・DTPオペレーター・デザイナー。
本造りの裏方たちは何を思い本を作っているか。
「印刷会社はメーカーです」
印象的な文章で始まる本書
印刷会社の就活説明会で主人公が言った言葉である。
本を作る印刷会社の営業・工場作業員・DTPオペレーター・デザイナー。
本造りの裏方たちは何を思い本を作っているか。
本屋でいながら全く知らなかった世界である。
私たちは問屋から届いた本を当たり前のように並べて販売をしていた。
著者・出版社・書店は読者が本を手に取る工夫、販促物や売場の展示方法を考え、1冊でも多く読者に届ける事を日々探究している。
でもこの本を読んでいて、真剣に売れる本を作っているのは印刷会社なのではないかと思った。
紙・インク・字体……。
私たちが知らない所で戦い、良いものを発売日までに届ける情熱を1冊ずつ本に注いでいるのである。
紙の本が売れないと言われ、印刷業界は斜陽産業とも言われているが、「ものづくり」の本質は他の産業や企業にも当てはまることではないかと感じている。
本を作ったすべての人を「奥付」に印刷することはないが、印刷会社の名前にはこの本を作ったすべての人の情熱があって世の中に送り出されていることを実感してもらいたい1冊である。
ものをつくる素晴らしさを再確認させられた……。
文/ アトレ目黒店・R