『ぼぎわんが、来る』/澤村伊智/KADOKAWA 角川ホラー文庫/680円+税
第22回ホラー小説大賞受賞作品。
選考委員の満場一致で受賞したことが当時話題でしたが、読めば納得、傑作です。
そして、怖い……。
語り手が異なる3章構成の物語で、怪談、モダンホラー、ミステリーの要素が渾然一体となり圧倒的なリーダビリティで一気読み必至です。
まぁ、何か怖いって「ぼぎわん」の得体のしれなさ。
1章の語り手が幼少期に経験する、祖父の家での怪異(ぼぎわん)との遭遇。玄関越しに声をかけてくる不気味な訪問者、突然正気を取り戻し「何も答えてはいけない」という痴呆症の祖父。
怪談の典型ではあるのですがゾッとします。
意味不明な「ぼぎわん」というネーミングの民間伝承を絡めた考察も、感心するとともに恐怖を倍増……。
ネタばれになるので多くを語れませんが、章ごとに恐怖の質が違うのも本作の特徴で、ホラー小説ファン以外の方にもオススメです。
文/
アトレ亀戸店・KY



