『語り継ぐ横浜海軍航空隊』/大島幹雄/有隣堂 有隣新書/1,000円+税
金沢区のベイサイドマリーナに向かう手前、春には見事な桜の花を咲かせる富岡総合公園がある。結構な広さの公園だ。
国道16号線から公園に向かって下る道の脇に、古めかしい門柱が立っている。
何だろうと思って近づいてみると、「元横濱海軍航空隊隊門」と書かれた表札がついている。
海軍航空隊と言えば横須賀や厚木基地は知っているが、横浜に? どこに飛行場が?
横浜航空隊は水上機、飛行艇専門の航空隊で、埋め立てられる前の富岡の前の根岸湾が滑走路だった。
隊員一千名、大型飛行艇二十四機を有する海軍最大の飛行艇専門航空隊。
当初は九七式飛行艇、昭和十七年からは当時世界最高の性能と言われた「二式大型飛行艇(二式大艇)」を装備した。
公園に隣接する神奈川県警察本部第一機動隊の敷地内に、今も当時の巨大な格納庫が残る。
横浜航空隊(浜空)は昭和十七年、南方の最前線に進出し、八月に悲劇が起こる……。
本書には必死に生き残った方々が浜空のことを語り継ぐため、大変なご苦労を重ねて来たことが、冨岡にお住まいの著者により纏められている。
富岡公園の桜は浜空開隊時に隊員により植えられたものである。
ぜひ浜空のことを一人でも多くの方に知っていただき、来年の春は平成最後の花見を富岡公園で楽しみながら、この場所に浜空があったことを思っていただけたらと思う。
文/
シャポー市川店・TS



