


前作『真犯人』から5年。同じメンバーでのシリーズ第2弾です。
刑事モノの作品は数えきれないほどあり、心理捜査や文書捜査?など、読者としても混乱してしまいます。
しかしこの作品は実に地道に細やかな描写で進み、文章から一つ一つの場面が明確に頭の中にトレースできるのです。
それは風景描写にもうかがえます。
“人生につまずき破滅した人間を目にしてきたが、その敗残は本当に当人だけの責任なのか。それとも運命か、永遠に答えの見つからない問いに違いない”
という箇所は、作者の社会のに対する想いなのでしょうか?
人間は優しくて醜い、でも希望を持って生きる。そう考えさせられた作品です。
文/ ららぽーと海老名店・A・T
