『英文読解術 東大名誉教授と名作・モームの「物知り博士」で学ぶ』/行方昭夫/DHC/1,600円+税
日本では何年かに一度、英語学習ブームなるものが起きるようだ。
今現在は、大学入試が変わるということで、上から下までてんやわんやの状況である。
しかし英語学習ブームが起きる割には、日本人が英語ペラペラという状況にはなっていない。
日本における英語受容の歴史を考察した本も種々出版されている。
著者・行方氏は英文学者でもあり、また英語学習法に関しても様々な提言がある。
簡単に言うと
“英語と日本語は構造がまるで違うのだから
英文法をしっかり学習して英文を一文一文精読していきましょう。”
こんな感じである。
まぁ正直言うと、面倒だしあんまり面白くも無い感じの勉強法だ。
著者はこういう意見に当然何度も出くわしているようであるが、それでも著者の英語学習に対する提言は変わらない。
古くからある手法ではあるし、英語学習の保守本流と言っても差し支えない御仁であろう。
ここ数年、著者は、英文精読本をかなりのペースで刊行している。
御年87歳にも関わらず、その精力には脱帽のほかない。
著者の英文精読解説本にはレベルの恐ろしく高いものから入門レベルまで色々とあるが、本書はおそらく最も入門レベルに属しているものであろう。
(最高レベルは近刊の『実践英語のセンスを磨く』
(岩波現代文庫)。前書きに、著者には珍しく厳しい言葉が並んでいる)
サマセット・モーム『物知り博士』を丸々一冊使って徹底的に英文精読を学習していく。
必要な文法からこういったこと考えて読むのが【英文を読む】ということなのだな、と感じることが多い。
学校でいやいややり、しかも出来た訳はおよそ普通の日本語とはかけ離れていて、あぁ英語ってつまらねぇなぁ……との思いが徐々にたまっていく、あの嫌~な感じ……本書を読むと、そういった感覚にはまずならない。
文/
武蔵小杉東急スクエア店・S.M



