


ある日、幼馴染に告白させようという友人たちの悪ノリで学校の倉庫に閉じ込められてしまった主人公と、偶然居合わせてしまったことで一緒に閉じ込められてしまった先輩(?)。
夕方には鍵を開けてくれると言っていたのにいくら待っても助けが来ない。
何とか出口を見つけて外に出ることができたが、校舎で再会したのは変わり果てた姿の友人だった……。
東北にゆかりのある著者による、東北を舞台にした日常崩壊。
「保菌者」と呼ばれる人を襲う謎の感染者たちから逃げ延び、様々な個性の生存者たちと協力し、時に反発しながら、事態の解決を目指していきます。
人間の心理描写がよく描かれています。きれいな部分だけでなく、もちろん黒い部分まで。
作中の出来事が実際に起きることはないかもしれません。
しかし全く同じ状況でなくても「あたりまえの平和」がなくなった時、もし自分だったら誰のような行動をするのだろうか、と考えさせられます。
襲いかかってくる敵はいなくても、そういえばあの地震の時……と思うような場面もありました。
グロエロ描写がありますので、そこが苦手でなければ読んでみていただきたい作品です。
文/ 錦糸町テルミナ店・IS
