


小学校高学年の頃から今まで、新潮文庫の赤毛のアンシリーズ全十巻をどれだけ繰り返し読んできたか分からない。
長年の愛読によって、どの巻も傷みが激しいのだが、中でも一番状態が悪いのが、アンが主人公の物語の四作目にあたる『アンの幸福』である。
今作はいわゆる「赤毛のアン嫌い」の方にもお勧め出来る一冊ではないかと思う。
教師になったアンが赴任する或る街での三年間の滞在記という、シリーズ本編とは少し異なる形式の中で、著者モンゴメリのストーリーテラーとしての手腕が冴えわたっている。
ついでに鼻息も吹き荒れている。
ロマンス、ゴシックホラー、下剋上物語、ヒューマンドラマ、風刺、ゴシップ、あらゆる要素がこれでもかと盛り込まれている。
はちきれんばかりの数のキャラクター達が織りなすエピソードは、ピース同士が微細に糸を絡め合い、時に大胆に裁断され、最終的には細工の見事なキルトのように仕上げられている。
そこに身も心も包まれる心地はくせになり、何度も読み返してしまう。
文/
たまプラーザテラス店・A.N
教師になったアンが赴任する或る街での三年間の滞在記という、シリーズ本編とは少し異なる形式の中で、著者モンゴメリのストーリーテラーとしての手腕が冴えわたっている。
ついでに鼻息も吹き荒れている。
ロマンス、ゴシックホラー、下剋上物語、ヒューマンドラマ、風刺、ゴシップ、あらゆる要素がこれでもかと盛り込まれている。
はちきれんばかりの数のキャラクター達が織りなすエピソードは、ピース同士が微細に糸を絡め合い、時に大胆に裁断され、最終的には細工の見事なキルトのように仕上げられている。
そこに身も心も包まれる心地はくせになり、何度も読み返してしまう。
文/

