


幼いころ神隠しにあい、一眼一足となることで
あやかし達の “知恵の神” となった女性、岩永琴子。
そんな彼女の元に寄せられる妖怪達の相談事を、虚構の推理をもってねじ伏せ……もとい解決していく物語に待望の続編が登場です!
一作目『虚構推理』が発表されたのが2011年、今作が2018年12月刊行ともなると、まさに “待望” のという感じです。
今回は短編集になっているので、ひとつひとつのお話が軽く読みやすくなっています。
ですがどの話にも彼女らしい推理と解決法が散りばめられていて、満足感はしっかりあります。
西洋人形の様な容姿に、恐ろしく回転の速い頭脳、そこから生み出される嘘の推理の数々。一度では信じられなくても、二度三度と彼女の推理を聞いている内に、なるほどと思わず納得させられてしまいます。
かと思えば、まさしく深窓の令嬢然とした人の口から品のない、いかにも俗っぽい物言いが飛び出してくるのですからギャップがすごい。
彼女の得体の知れない魅力は留まることを知りません。
コミック版ではポップで可愛らしい印象で描かれていますが、原作はミステリー、怪奇小説の雰囲気も保ちながら、著者ならではの表現を楽しむ事が出来ます。
どちらかが良いのではなく、どちらともが良い。その違いを是非楽しんで下さい。
アニメ化も決定しますます盛り上がりを見せる作品、今の内に要チェックです!
文/ 錦糸町テルミナ店・M.Y
