


「ハコヅメ」は警察マンガである。
とはいってもハードボイルドでも推理モノでもない。
主人公は地方警察の交番勤務の女子たち。
地方の警察学校を卒業したばかりの新人女子と
美人だけど中身は「メスゴリラ」と評される巡査部長のコンビ、
そして彼女たちをとりまく上司・同僚・犯人・被害者・目撃者などなどが織りなす(非)日常コメディなのである。
警察犬の後を心を無にしてひたすら走ってついていく山中の行方不明者捜索だの、
性犯罪の取り調べで出てくる隠語を調書の中でどう表現するか悩んだり、
頑張れば頑張るほど市民に嫌われる違反切符や職務質問の悲哀……。
警察署内では普通に行われているであろう日常業務が、真剣であればあるほど笑いを誘うのだ。
作者が元地方警察官だった実体験をもとに描かれているので納得である。
警察というところは外に向けてのコンプライアンス遵守は徹底しているのに、内部の労働環境は劣悪らしく、書中でも「日本一の〇ラック」「日本一のやばい組織」などと言わせてしまっている。
守秘義務違反は問われたりしないのか、ちょっと心配ながらも、楽しみにしているのは私だけではないと思う。
2019年4月現在、『週刊モーニング』で連載中です。
単行本は6巻まで発売中。
文/ 戸塚モディ店・TM
泰三子さんのデビューされた経緯が、日経ビジネスの連載「(Yが)キーパーソンに聞く」にて紹介されています。
泰さん・担当編集者さんのお話に、泰さんの警察時代の話題も登場しますよ。
興味深いのであわせてどうぞ。
[前編]警察は“しょうもない人”が頑張る仕事です|日経ビジネス電子版
https://business.nikkei.com/atcl/interview/15/284031/042300030/
[後編]警察で学んだ、マンガ家として急成長する方法|日経ビジネス電子版
https://business.nikkei.com/atcl/interview/15/284031/042300031/
(本の泉スタッフM)
