
荒井ママレ・富野浩充:著/ノース・スターズ・ピクチャーズ 徳間書店 ゼノンコミックス/580円+税


薬剤師さんが主人公の漫画である。
絵がポップで、まず物語に入っていきやすい。
主人公は薬剤師でも “病院の中の薬剤師” なので、話そのものは結構シビアで重かったりもする。
医療系漫画なので、絵が重いとちょっと話に重みが増しすぎて、たぶん読むのがつらくなる。
漫画って絵が重要だよな、なんてことも再認識する。
薬剤師というと、実際の仕事はどんな感じなんだろうか?
ふだん患者として接する限りだと、“薬を渡してくれる” ことしか分からない。
すみません、調合やらなんやら、どんなことやっているのかはまったく知らず……ほぉ、こんなことやるのかい。
実際の医療の世界が多分に共同作業になっていっているとは聞いてはいたけども、こりゃ大変ですね。
1巻では医者が貶められているように感じる話もある(こんな無責任な医者も中にはいるんだろうが)。人によってはそれが鼻に付くかもしれない。
主人公について、いちいち面倒くさいやつだなぁと感じたりもするかも(性格的にはドラマ踊る大捜査線の青島に近い感じが……)。
どんな職にも、人には知られざる裏話があり、そこにドラマがある。
また個人の理想と社会の現実は、どうしてもぶつかってしまうことがある。
様々な葛藤を抱えながら人は仕事に向かう。
はたして主人公・葵みどりは今後どのような薬剤師へと成長していくのか?
今後が楽しみな漫画である。
文/ 武蔵小杉東急スクエア店・SM
