
つばた英子・つばたしゅういち:著 水野恵美子 落合百合子:写真/文藝春秋 文春文庫/740円+税


愛知県春日井市の住宅街で、120種類もの野菜や果物を育てながら半自給自足をする津端修一さん、英子さんご夫妻。
このご夫婦は地方都市に暮らすそんじょそこらのシニアではないことが、読み進む内に判明します。
老夫婦のシニアライフを綴ったエッセイと思いきや、80年以上生きてこられたお二人の文章は何とも奥が深い。
ヨーロッパで「キッチンガーデン」なるものに出会い、そこから自分たちの生活、果ては人生も見直すきっかけになる。
とにかく自分の手で作れるものはなんでも作るし、なるべく自然に近いものを使う。
便利なものは時間がかからないけど、手間暇をかけてする作業は心を豊かにする事を教えてくれる。
話し言葉で書かれているので文章がわかりやすく心にスッと入ってくる。
こんな暮らしは理想かもしれないと思うが、少し視線を変えてみたら案外自分にも出来るかも?と思わせてくれる。
「人生のバイブル」としていつもそばにおいて置きたい1冊である。
文/

