


冴えない容姿に反して魅力的な声をもつラジオパーソナリティが主人公。
彼の行きつけのバーには年齢も職業も出自も異なるけれど、とても気の合う仲間たちがいます。
そんな彼らが、ある女性と関わったことで事件に巻き込まれていくストーリー。
主人公は仲間たちのことをラジオの話のタネにしています。
しかし彼がラジオで話す仲間たちの話は、どれも少しだけ事実とは異なるのです。
それはなぜか。
その理由がわかった後にもう一度ぜひ、読み直してみて下さい。
この小説の見え方がきっと違って見えてきます。
事実とは何か。嘘とは何か。
読んだ後に、嘘が必ずしも正しくないとは限らない、そう思えてきます。
一見ミステリーのようですが、彼の嘘が紡ぐ温かい絆の物語です。
文/

