209『望み』/雫井修介/KADOKAWA 角川文庫/680円+税外部リンク 
有隣堂の在庫を探す

夏休み明けの9月のある日、高校1年の息子 規士が家に帰ってこない。
連絡がつかずに心配していた矢先、規士の友人が遺体で見つかった。

事件に関与していると思われる少年は3人。逃走を目撃されたのは2人。行方不明になっている息子は加害者なのか、それとも被害者なのか。
真相もわからない中、躊躇なく押し寄せるマスコミ。遠慮のないネットの書き込み。
父親の一登は社会的抹殺を恐れて加害者ではないことを望み、母親の喜代美は唯々、命あることを願う。
加害者の親として生きる重みに耐えられるのか。子どもを失う絶望に耐えられるのか。
思春期の息子を持つ同じ親として、胸が痛く、苦しく、そしてとても切なくなる。終盤は規士の想いに触れ、涙が溢れる。

読み終えて、集燥感・悲壮感・脱力感、疲れた……。
カドフェス2019購入特典のクリアファイルが欲しくて手にしたこの一冊。
だが、この作品に出合えて良かった。他の雫井作品も読んでみようと思う。

文/ ららぽーと湘南平塚店・AN
・2021/3/31以前の記事……税別の商品価格
・2014/2/28以前の記事……5%税込の商品価格

を表示しています。
現在の税込価格はリンク先のHonyaClub・在庫検索などでご確認ください。
----------