


ご存知でしょうか、ハーレクイン・ロマンス。
手に取ったことはなくてもぼんやりと概要を知っているという人も多いかもしれません。
社長やら砂漠の王子やら海運王やらやたら金持ちでハンサムな男性とヒロインが紆余曲折ありつつも愛を育み最終的に結婚してハッピーエンドなワンパターン恋愛小説でしょ、と。
そのワンパターン、実は練りに練られたすごいワンパターンなのです。
ワンパターンを極めて今や114カ国で販売され、英語以外の言語28カ国語に翻訳され、累計67億部という一大ジャンル。
その知られざる歴史に触れてみませんか?
1949年、カナダで既刊本をペーパーバックとして再刊する出版社としてスタートしたハーレクイン社が女性向けロマンス小説に的を絞り、イギリスのミルズ&ブーンという出版社と手を結んだことから快進撃は始まります。
このハーレクイン社の飯の種である1908年創業のミルズ&ブーン社、ハーレクイン社とタッグを組む以前からロマンス専門を掲げてブランド化を進め、2度の世界大戦やテレビの普及など度々の危機に直面しつつも時流を読んだ的確な販売戦略で女性読者の支持を得てきた叩き上げの出版社で、その成り立ちと歴史自体もおもしろいです。
景気のいい話は読んでいて楽しいですね。
以後ハーレクイン社はカナダからアメリカへと販路を広げていくのですが、ロマンス小説が熱狂的に受け入れられた歴史的背景、それぞれのお国柄によって受け入れられるロマンスの傾向(主に性道徳の面による)の文化的差異、20世紀初頭の書籍流通事情など、興味深いトピックは尽きません。
女性が自分の楽しみのために本を読むことは現代では普通のことですが、そこに至るまでの歴史を振り返ることも大事だなと思わされる1冊です。
文/
アトレ亀戸店・YK
このハーレクイン社の飯の種である1908年創業のミルズ&ブーン社、ハーレクイン社とタッグを組む以前からロマンス専門を掲げてブランド化を進め、2度の世界大戦やテレビの普及など度々の危機に直面しつつも時流を読んだ的確な販売戦略で女性読者の支持を得てきた叩き上げの出版社で、その成り立ちと歴史自体もおもしろいです。
景気のいい話は読んでいて楽しいですね。
以後ハーレクイン社はカナダからアメリカへと販路を広げていくのですが、ロマンス小説が熱狂的に受け入れられた歴史的背景、それぞれのお国柄によって受け入れられるロマンスの傾向(主に性道徳の面による)の文化的差異、20世紀初頭の書籍流通事情など、興味深いトピックは尽きません。
女性が自分の楽しみのために本を読むことは現代では普通のことですが、そこに至るまでの歴史を振り返ることも大事だなと思わされる1冊です。
文/

