『毒姫 新版』 1巻/三原ミツカズ/朝日新聞出版 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス/781円+税
幼い頃から体内に微量の毒を取り込むことによって体液が猛毒と化した毒姫。
暗殺の目的で敵国に寵姫として送られた、毒姫の儚くも美しい物語です。
この作品はまず三原ミツカズ先生の描く美しい絵の数々にウットリさせられます。
細部まで手の込んだイラスト、特に毒姫たちの着るゴシックロリータ調のドレスは圧巻です。
作品の雰囲気は最初から仄暗さを感じさせられますが、
絵のタッチと相まってグッと作品の世界観に引き込まれます。
また、ヒロインのリコリスやその他の毒姫たち、
敵国であるグランドルの3人(3つ子)の王子などなど、
魅力的なキャラクターがたくさん登場します。
中でも王子たちは、見た目は似ていますが
(同じ顔であるのに容易に見分けることができる書き分けがスゴイです)
3人とも全く性格が異なるので、どの王子が好きか
読む人によって好みが分かれると思います。
3人とも顔がいいのはもちろん、とても魅力的で、
読み進めるうちに全員リコリスと幸せになってほしいと感じさせられます。
体液がすべて毒であるために、人と触れ合うことができない毒姫。
「愛すること」を許されず、「愛」に憶病になってしまう。
リコリスの思いに読みながら胸が苦しくなります。
人間の醜い部分や残酷な部分をたくさん目の当たりにさせられますが、
登場人物一人一人がそれぞれに強い信念を持ち、
人物を形成した背景もしっかりと描かれているので深みがあり、
どのキャラクターへも愛おしさを感じます。
時に残酷でありながらも美しく切ない愛の物語です。
ぜひご覧ください。
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