


今回取り上げるのは、
吉本ばななさんの代表作『キッチン』です。
有名なので知っている方も多いのではないでしょうか。
本作は短編三本から構成されており、
とても読みやすいボリュームとなっています。
主題である「キッチン」は、
主人公の祖母の死から始まるある親子との共同生活を中心に、
生と死について、また人と人との繋がりについて、
優しく淡々とした描写で描いています。
三本全ての短編を通して、
自分の心と対話をするような感覚で読むことができ、
読み終えた後は静かな感動がある、そんな作品です。
読みやすさ重視で選んだ本ですが、
改めて読んでみて、とても味わい深く良い作品だなと感じました。
きっと、人生の色んなタイミングで読み返して、
そのたびに違う魅力がある本なのではないかと思います。
毎日が忙しく、本を読むことから離れがちな人にもおすすめです。
全197ページの心温まる小説「キッチン」、これを機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。
文/ センター南駅店・A.Y
