ベルリン・都市・未来『ベルリン・都市・未来』/武邑光裕/太田出版/3,000円+税外部リンク 
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新たな都市のスタンダードはすべてベルリンから生まれる。
少し前であればスタートアップの中心はシリコンバレーであった。
GAFAを中心としたテック企業の躍進は世界中を巻き込んで、今や人々の生活にはなくては ならない存在となった。
しかし現在、世界中の起業家やクリエーターがベルリンを目指す。

新たな都市のスタンダードはベルリンから生まれる。
鍵を握るのはヒッピー、アメリカ西海岸で生まれた反体制イデオロギー。
シリコンバレーのガイ達に影響を与えたヒッピー文化やカウンターカルチャーは、人々の意識身体化する社会構造コミュニティーを育てた。
それは社会のイノベーションを生む巨大な文化資本にまで上昇してきた。
これがサンフランシスコを迂回して、ベルリンに流れだすのだ。
ベルリンに根を張ったヒッピー文化。かつては資本主義と対峙して来たヒッピー文化が、皮肉にも資本に転化してくる。

さらに個人情報を餌として巨大化してきたシリコンンバレーの巨大企業たちのデータエコノミーのシステムにもNOを突きつけたEUのGDPR(一般データ保護規則)もベルリンが発火点である。

壁の崩壊から30年、テクノミュージックによって断絶を乗り越え、文化多様性が社会をドライブさせるベルリン。
ここには硬直したテックイノベーションを更新する秘密のレシピが隠されているのだ。


しかし、これはコロナ以前のストーリー。
ベルリンの重要産業であるクラブカルチャーは危機に瀕死であろうことは想像できる。
2020年6月にメルケル政権は長い話し合いの末、景気対策の中でクラブに対する支援を明言した。
クラブは今まで文化施設として認められていなかったからこれは大きな一歩になる。

ベルリンの未来にまだまだ目が離せない。

文/ シャポー小岩店・I
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