


近年、漫画業界では「漫画家自身が自分や漫画業界内を描く」作品が流行ってきており、その作品がTVや映画化されることにより、『バクマン』『重版出来』などのように、さらに話題になるものもあります。
しかしながら、この作品はそこに止まることなく、もう一歩踏み込んだ内容になっています。
アニメ制作に携わる人たちを描き、尚且つ舞台を学校の部活動とすることで、「業界モノ」+「学園青春モノ」としても成立させた上で、主人公3人を「脚本家」「プロデューサー」「アニメーター」として登場させることで、ビジネスに不可欠な「ヒト」「モノ」「カネ」的要素も盛り込んでいます。
その他、多様な人種の生徒が登場するなど、一言で「このジャンル!」と決めることが難しい漫画になっています。
そしてこの漫画の真骨頂は「吹き出し」と言われるセリフの部分であり、文字の大小でセリフの強弱が感じられたりなど、画期的で斬新な表現方法と言えると思います。
これだけの要素を盛り込んだ作品、物語も複雑怪奇かと思わそうですが、全然問題なし! 物語は至って単純明快!
終盤に向けて毎回ハラハラドキドキが楽しめます。
特に主人公3人がクセの強いように描かれているにも関わらず、「そういえば、学生時代にこんな子たちいたな」と身近に思わせるところもあり、見どころ(読みどころ)満載の作品に仕上がっています。
今や誰でも楽しめて、日本文化の象徴として世界に誇れる漫画(アニメ)。
この作品もあのモンスター漫画『鬼滅の刃』と並ぶ、2020年を代表する漫画の一つです。
文/ 藤沢店・KM
