映像研『映像研には手を出すな!』 01/大童澄瞳/小学館 ビッグコミックス スピリッツ/552円+税外部リンク 
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近年、漫画業界では「漫画家自身が自分や漫画業界内を描く」作品が流行ってきており、その作品がTVや映画化されることにより、『バクマン』『重版出来』などのように、さらに話題になるものもあります。

しかしながら、この作品はそこに止まることなく、もう一歩踏み込んだ内容になっています。

アニメ制作に携わる人たちを描き、尚且つ舞台を学校の部活動とすることで、「業界モノ」+「学園青春モノ」としても成立させた上で、主人公3人を「脚本家」「プロデューサー」「アニメーター」として登場させることで、ビジネスに不可欠な「ヒト」「モノ」「カネ」的要素も盛り込んでいます。
その他、多様な人種の生徒が登場するなど、一言で「このジャンル!」と決めることが難しい漫画になっています。

そしてこの漫画の真骨頂は「吹き出し」と言われるセリフの部分であり、文字の大小でセリフの強弱が感じられたりなど、画期的で斬新な表現方法と言えると思います。


これだけの要素を盛り込んだ作品、物語も複雑怪奇かと思わそうですが、全然問題なし! 物語は至って単純明快!
終盤に向けて毎回ハラハラドキドキが楽しめます。

特に主人公3人がクセの強いように描かれているにも関わらず、「そういえば、学生時代にこんな子たちいたな」と身近に思わせるところもあり、見どころ(読みどころ)満載の作品に仕上がっています。


今や誰でも楽しめて、日本文化の象徴として世界に誇れる漫画(アニメ)。
この作品もあのモンスター漫画『鬼滅の刃』と並ぶ、2020年を代表する漫画の一つです。

文/ 藤沢店・KM


『映像研には手を出すな!』
05
大童澄瞳/小学館ビッグコミックス スピリッツ/591円+税
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