居るのはつらいよ『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 シリーズ ケアをひらく/東畑開人/医学書院/2000円+税外部リンク 
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医学書のコーナーで見つけて
なんとなく気になって読み始めたら、
なんとも軽妙な語り口でぐんぐん読んでしまった。
この「居るのはつらいよ」は大佛次郎論壇賞を受賞。
後半はデイ・ケアが内包する問題点にも言及している。

筆者は京大の博士過程を卒業してセラピーをやるぞ!と意気込んだものの
就職先がなかなか見つからず、やっと条件を満たす所を見つけたと思ったら
予想していたような仕事内容ではなく困惑する……。

面白く描いてはいるが、実際ただそこに居るという事の大変さ大切さが伝わってくる。
筆者自身が最初感じていたようにセラピーに比べてケアは価値が一段低い扱いであり給与も低い。
それは何故なのか。

依存労働は、仕事が成功しているときは意識されず感謝もされない。
だが普通の日常は誰かが依存させてくれる事で成り立っている。
という言葉にハッとさせられる。

物語として語られるドラマにも釣り込まれてしまい、後半にはちょっと泣けてしまうシーンもあります。

普通の毎日を過ごす事、そこに居続ける事について考えさせられる本でした。

文/ 伊勢佐木町本店・RK
・2021/3/31以前の記事……税別の商品価格
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