320『罪と罰を読まない』/岸本佐知子・三浦しをん・吉田篤弘・吉田浩美/文藝春秋 文春文庫/700円+税外部リンク 
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タイトルを見たときは「書評集かな」と思いました

『罪と罰』は名作の象徴で、つまりは
「(罪と罰のように)教科書には載らないけど深くて面白い」的な本を紹介しているのだろう、と
ところがところが、紹介文をみたら『罪と罰』は『罪と罰』で、
文字通りそれを読まずに語り合う等言う冗談のような本でした

翻訳家、小説家、装丁家等々が読んでもいない本について
想像しつつ評論していくさまがめっぽう面白いです

特にしをんちゃんがいつもの妄想力で
ぐいぐい見当違いの方向に進んでいくところは爆笑です

後半は、「読んだ」著者達が再び集まっての座談会です
答え合わせをしたり、押しキャラを披露したりと、やはりこれも楽しそう

そしてゲラゲラ笑いながら一気に読み終わったその結果、
何となく『罪と罰』を読みたくなってしまう自分を発見するのです
彼らの小説に対する熱烈な愛情が、そうさせるのでしょうか

本を読むというのは一人静かに没頭しなければいけないわけじゃない
「あそび」をしながらでも発見はあるし、心に残る何かがある
皆さんもこの本を読んで自分なりの読書法をぜひ探してみてください

文/ 戸塚モディ店・TK
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