『いつの空にも星が出ていた』/佐藤多佳子/講談社/1600円+税外部リンク 
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野球を題材にした小説は数々あれど、本作は四つの短編全ての主人公が野球ファン、それも横浜ベイスターズファンという異色作です。
著者の佐藤多佳子氏は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞。
高校陸上部の青春が爽やかに描かれていました。

本作では、野球を観る側の、しかも老若男女いろいろな人生が描かれています。
共通するのは、ベイスターズファンであるということ。
周知のとおり、ベイスターズは万年Bクラス。ほとんど最下位(今年はリーグ4位)。
現存するセ・リーグ5球団全てに対して、通算対戦成績が負け越しているチーム。
それなのに、ジャイアンツファンやタイガースファン、広島ファンでもなくて
良くぞベイスターズファンを選んでくれました! 著者に感謝!

だって、好きになるのに理由はいらないもの。もちろん勝ってくれればうれしいけれど、一度好きになってしまえば、ただ居てくれるだけで充分。
野球に限らず、何かを「推し」たことのある人なら共感してくれるはず。

生まれも育ちも横浜の自分にとっては、懐かしい横浜の風景や雰囲気が活写されていたのも感涙ものでした。

文/ 伊勢佐木町本店・KO
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