10sagamino『相模のもののふたち―中世史を歩く/永井路子/有隣堂 有隣新書/1,200円+税外部リンク 
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2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、静かに話題になっています。
2020年11月16日から20日の5日間、第一次出演者発表がおこなわれ、SNSでたいへん盛り上がっておりました。

『鎌倉殿の13人』は、源頼朝の妻・北条政子の弟で、承久の乱時の執権・北条義時が主人公です。「鎌倉殿の13人」とは、源頼朝死後、2代将軍頼家を補佐するため、有力御家人で合議制をおこなった際の13人のことをさします。北条義時は、その中の一人です。親分が亡くなってギクシャクしている状態なのだから、揉めないわけはないわけで……

脚本の三谷幸喜さんは制作発表時の会見で、北条義時は映画『ゴッド・ファ―ザー』の、アル・パチーノが演じるマイケル・コルレオーネに似ているとおっしゃり、「北条義時は勝ち組かもしれないけれど、失ったもの・犠牲にしたものも多い。僕の考えている北条義時は、すごい孤独な男。そこに興味を持って書くことにした」とおっしゃっています。
『鎌倉殿の13人』の第一次発表のコメントには、登場人物に「馴染みがない」「印象がない」が目立ちます。これは、地元の方や、くわしい方をのぞけば、一般的な感想かもしれません。

登場人物を知っておくと、これから2年間わくわくできるので、何かご用意できるか、と考えました。



『炎環』
永井路子/文藝春秋 文春文庫/680円+税
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永井路子さんが書かれた『炎環(えんかん)』は、北条義時他、4人の人物がこの時代を生き抜く様子を描いた作品です。大河ドラマ『草燃える』の原作でもあります。

短編4編が同時代を扱っているので、同じ事件もいろいろな視点で語られるため、読後、激しい世の中の動きと多くの人物たちの悲喜こもごもとが頭に残ります。『鎌倉殿の13人』の予習に最適です。
 

10sagamino
『相模のもののふたち
中世史を歩く
永井路子/有隣堂 有隣新書/1200円+税
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永井路子さんは『相模のもののふたち』という武士団に関する歴史紀行も出版されています。

平氏打倒に立ちあがる動きは、敵にせよ味方にせよ、東国の武士団の力、特に相模の武士団の動きは、無視することができません。
その大きな力の痕跡は、様々なかたちであちこちに残されているのですが、目を凝らさないとわかりません。

永井路子さんは、40数年前に、開発が進んで変わっていく武士団の根拠地を丹念に取材し、貴重な記録を残しました。海から海岸線、川沿いより旧道、そして山へ。各地で地形を生かした中世独特の生活の跡を発見します。

気にされているのは、地名。中世の記憶が地名になって残っているのですが、どんどん忘れられていくのです。

800年近く昔の記憶を探しながら、数十年前の地元の記録を読むというのは、タイムカプセルをのぞきこむようで、とても楽しいことです。


せっかくの機会ですので、2冊いっしょに読まれることを、おすすめします。

文/ 藤沢店・OI
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