『ババヤガの夜』/王谷晶/河出書房新社/1,500円+税
日暮れ始めた甲州街道を走る白いセダンは、煙草と血の匂いで満ちていた。
本作の冒頭の一文です。
これを読んだ瞬間、映画館の観客席にどっしり座った心地がしました。
この一文だけで頭の中には映像と、音と、匂い、質感が広がります。
煌々と輝くスクリーンに映し出されているのは、車の後部座席で
ヤクザ2人に挟まれながら顔も服もボロボロでぐったり座っている女性。
一体これからどんな目に遭っちゃうの……?と女性を心配していたのですが杞憂でした。
この女性こそ今作の主人公、暴力に魅せられた新道依子です。
「なぁ、今までこんな主人公見たことある?!」と一人で読みながら
誰もいない空間に同意を求めるツッコミを入れてしまうくらい依子は強いのです。
大勢のヤクザvs依子のシーンはきっと皆さんも読みながら「なぁ!」と私と同じように虚空ツッコミを入れてしまうのではないかと思います。
是非ともアクションシーンの興奮を味わっていただきたいです!
そして暴力! 暴力!! 暴力!!!
……バイオレンスの嵐を抜けた先のクライマックス…ご堪能あれ。
文/



