


昭和の時代、金曜8時のテレビといえばプロレスだった。
戦後の30年代、戦後の色合いを残しプロレスに出てくる外国人は大きく手強い悪役のイメージ。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木と対峙する外国人レスラーには常に強い畏怖があった。
著者は週刊プロレス創刊時からの記者で、米国留学中にプロレスの現地記者としてプロレスの本場アメリカでレスラーを見てきた。その中で日本プロレス界で活躍し、印象の強かった “神様 カール・ゴッチ” から “暴走戦士 ロード・ウォリアー・ホーク” まで外国人レスラー10人を取り上げている。
この本で著者が取り上げた10人は単なる上辺の取材ではなく記者、編集者、ときには友人として接してきたレスラーの人生に触れ、その人生の最後までを記しているが、知りたい部分もあり、知りたくない部分もあった。
それは日本人レスラーを苦しめた強く、大きく、盛り上がった筋肉、巧みな技や、豪快な振る舞いなど畏怖のあり当時の憧れだった外国人レスラーのイメージのままで記憶したかったからかもしれない。
