


「プリンタニア・ニッポン」とは、生体プリンターの不具合によって生まれた、白くて丸いもちもちの新種の生き物です。
柴犬をつくろうとしていた主人公の佐藤の目の前に、このプリンタニアが出力され、一緒に暮らしていくことになります。
このプリンタニア、とても可愛くてたまりません。
表情はほとんど変わりませんが、代わりに行動や擬音で気持ちを表現してくれます。その様子が愛しい。
例えば、短い手足を懸命に動かして “てちてち” 歩いたり、何かを訴えるように激しく上下に “もいもい” 動いたり、リラックスしているときは文字通り “とろ~ん” と溶けます。
何気ない動きが可愛くて、本当にいやされます。
そして時折見える不穏な社会システム、世界観が物語のよいアクセントのようになっています。
可愛らしい生き物が好きな方、そして近未来の管理社会のような世界観が好きな方にもおすすめの1冊です。
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