冬の蕾『冬の蕾 ベアテ・シロタと女性の権利』/樹村みのり/岩波書店/1100円+税外部リンク 
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表紙を見て「懐かしい」、それだけでレジに運んでいました。

私の学生時代は、少女漫画の隆盛期。
『ベルサイユのばら』のきらびやかな歴史絵巻や、『ポーの一族』の幻想的なロマンティシズムなどなどにどっぷりとはまったものです。

その並みいる少女漫画家の中で、樹村みのりさんは、「はまる」ということばの似合わない作家さんでした。
瞳に星がきらめかない、花が舞い散らない、王子さまもあらわれない。
でも端正な絵で、平熱で物語を紡ぐ。
みずみずしい若者のあこがれや挫折、適齢期の女性の心のゆらぎ、女の子の友情、生活の中で感じられる違和感。
彼女の描く女性は、等身大ですっと心に入ってきました。

そんな樹村みのりさんの作品を見かけなくなって、どれほどでしょう。
久しぶりに見かけ、即購入となったわけです。

副題に「ベアテ・シロタと女性の権利」とあります。
日本国憲法がGHQの肝いりで作られたとき、女性の権利の部分の原本を作ったのが、ベアテ・シロタさんでした。
彼女は日本で育っています。
そして子供の目で戦前の日本の女性を見、遊びに行った友達の家で日本の家庭を見ていました。
その経験が活かされています。

両性の平等は日本で、少なくとも考え方としては、現在あたりまえのことです。が、憲法に明記されていなければ、女性は何十年ももっと苦労したことでしょう。
戦争中日本にいた両親に会うために、占領軍の民政局員となって来日した、法律に関わりのない女性。
彼女がなぜ憲法に関わったのかは、この本をお読みください。

樹村みのりさんのオールド・ファンはもちろん、マンガですから、憲法やジェンダーにうっすら興味はあるけど、かたくるしいのはやだな、という方にもおすすめします。

文/ ラスカ小田原店・MT
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