


明日町こんぺいとう商店街にある「さとう」の暖簾を潜ると
そこには盲目の桐島君が営む一日百円でなんでもあずかってくれるお店、
あずかりやさんがあります。
期限が過ぎたらあずけられたものの所有権は桐島君へ。
ちゃんと取りに来る人、
処分してもらうために取りに来ない人、
取りに来れなくなってしまった人。
お客様も様々なら預けられるものも様々。
そんなシリーズの4作目がこちらです。
今回もそれぞれの事情を抱えた人達があずかりやさんを訪れ、
手紙、声、子供、おじいさん、かばん、かびんに文人木と
いろんなものがあずけられていきます。
盲目故かどんなものにもどんな人にも真摯な態度で接する桐島君。
あずけられたものが語るお話(例外あり)はどれも心温まるものばかり。
基本的に悪い人は出てこない(出来心を抱いてしまう人はいますが)ので
安心して読め疲れた心にじんわり沁み込み優しく癒してくれます。
連作短編集なので何作目から読んでも大丈夫ですが出来る事なら1作目から
あずかりやさんの歴史を読んで頂きたい。
読み終えた後に自分なら何をあずけるかと思わず考えてしまうはずです。
文/ アトレ目黒店・N.T
