


「小夜」「パンちゃん」「ユイ」「ちぃ」……
まず目次に並んだ名前を見て、4人の女性の物語による連作集だと思いました。
そのイメージのまま読み進めていると、途中で裏切られることになります。
そのイメージのまま読み進めていると、途中で裏切られることになります。
松井玲奈さんのデビュー作『カモフラージュ』に引き続き、2作目である『累々』にもフィクションと分かっていながら「本当にこんな人がいるかもしれない」と思わされます。
絶妙なリアリティをまとった人物や関係性がいくつも登場します。
それらが連なって、点と線がつながったときに、心がざわざわとする気味の悪さと、妙な心地よさを感じました。
ぜひ、ラストのお話まで読んでほしいと思います。
人間の多面性を少しの狂気と愛情で描いたこの作品は、人間の危うさやもろさ、怖い部分だけではなく、
それらをひっくるめて生きていく強さや、少しずつ拾い集めた幸せも描かれています。
どうしても分かり合えない部分でさえも……。
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※品切れの際はご容赦ください。
