『闇祓』／辻村深月／KADOKAWA／1,870円(税込)
心の闇を押し付けられることで歪んでいく人々。闇ハラ＝闇ハラスメント。
辻村深月さん初の本格ホラーということで人もたくさん死んでゆくけれど、
実際の死よりも、心が殺されていく過程が本当に怖かった。
実際の死よりも、心が殺されていく過程が本当に怖かった。
恩田陸さんの『常野物語』のように、
特殊な力をもつ人々が出てくるファンタジックホラーだが、
ありえない世界と決して思えないのは、
描かれる心の闇があまりに現実的だからか。
特殊な力をもつ人々が出てくるファンタジックホラーだが、
ありえない世界と決して思えないのは、
描かれる心の闇があまりに現実的だからか。
正しさを押し付ける、嫉妬、マウンティング、過剰な共感で人を引き込むなどなど、
どこかで見た覚えのある感情が、人の心を壊していく。
他人事とは思えず、読んでいて身が縮む。
どこかで見た覚えのある感情が、人の心を壊していく。
他人事とは思えず、読んでいて身が縮む。
パワハラ、セクハラ、モラハラ等のように明確には言い切れるものではなく、
心の闇で人を歪ませていくというハラスメント。こういう人いるわ、
こういう感情も心の闇とつながっていくのか、
心の闇で人を歪ませていくというハラスメント。こういう人いるわ、
こういう感情も心の闇とつながっていくのか、
とあらためて心の闇の身近さを感じて現実世界も怖く見えてくる。
連作短編のような構成で物語動詞が繋がっていく巧みさは、辻村深月さんの真骨頂だなと思う。
心の闇のない人間など、きっといない。
心の闇との付き合い方、囚われてはいけない感情まで教えてもらえるような深みのある物語。
心の闇との付き合い方、囚われてはいけない感情まで教えてもらえるような深みのある物語。
『常野物語』のようにぜひシリーズ化してほしい！
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