


20世紀のはじめ経済学者のケインズは、100年後には技術の向上と生産性の向上によって、週3日、1日4時間働ければすむようになる、と予言した。
その予言は当たったか? ぜんぜん当たっていない。
なぜか? それはブルシット・ジョブが増えまくったからだ、と言うのだ。
ブルシット・ジョブは「クソどうでもいい仕事」と訳される、汚い言葉であるが、読めばなるほど、よくわかる。
なぜなら日々私たちが目にする光景だからだ。
この「ブルシット・ジョブ」という言葉は人類学者のデイビッド・グレーバーの造語であり、この本はグレーバーの「ブルシット・ジョブ」という大著の解説を兼ねている。
ブルシット・ジョブとは、上司を満足させるためだけの仕事や、何をするポストかわからない役職、作ってもだれも見ることない書類作成……。
あるあるすぎて言葉を失ってしまう。
問題は、これらを仕事をやっている人の多くはその仕事が無意味なものに気づいているがブルシット・ジョブは日々増殖し、えてしてこれらの仕事をしている人が高い報酬をもらっている事である。
その謎を哲学的、歴史的に解きほぐしていく。
その構造はまるで巧妙に仕掛けられた罠のようであり、絶望的な話なのだが、ではどうすればいいのか。
この本を読むことは考えるきっかけとなるだろう。
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