


昨年11月、第43回野間文芸新人賞を受賞した作品。
昔から好きな作家、保坂和志さんが選考会で泣いた!という帯文を読んで、読まずにいられず手に取った。
二篇からなる作品で、著者は詩人。
地の文がなく、主人公の心の声のみで構成される。
地の文がなく、主人公の心の声のみで構成される。
こう思ったこう感じたを深堀らない、あるがままの心の声。
だから、本当はどう思ったの? あなたにとってそれはどれくらい大切なことだった? というところは受け取る読み手に託されている。
表題作は児童養護施設に暮らす集くんの関西弁の心の声。
狭い世界で生きる男の子のお話。
狭い世界で生きる男の子のお話。
生きづらさを感じていても、楽しいことやわくわくすることももちろんあって、日々は続いていくというお話、たぶん。
たぶん、読み手によって感想は違う。
現在子育て中の私は、彼が語らなかった部分、物語の余白の部分に切なさをびりびり感じて、ずっと泣きたい気持ちで読んだ。
現在子育て中の私は、彼が語らなかった部分、物語の余白の部分に切なさをびりびり感じて、ずっと泣きたい気持ちで読んだ。
たぶん、読む時によっても感想は違う。
生きづらさがあったとして、親友と亀を見に行く時の楽しさは純粋なる楽しさであって、そこに切なさを見出そうとする大人の自分が恥ずかしくも思った。
生きづらさがあったとして、親友と亀を見に行く時の楽しさは純粋なる楽しさであって、そこに切なさを見出そうとする大人の自分が恥ずかしくも思った。
経験値に守られていない子どもの心の声は、時に頼りなく、時にまっすぐすぎて胸に刺さる、ということだけはたしか。
二篇目の『膨張』も生きづらさの話、大人の心だから悪い意味で複雑、たぶん。
自分の気持ちを俯瞰でみたり、他人を判断したりするから、生きづらさの糸は絡まる。
自分の気持ちを俯瞰でみたり、他人を判断したりするから、生きづらさの糸は絡まる。
たぶん、ばっかりの感想になった。
それはこの作品がたぶん詩だから。自分の心で感じるものだから。
それはこの作品がたぶん詩だから。自分の心で感じるものだから。
興味を持たれた方はぜひ、詩集を手に取る気持ちで読んでみてください。
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