


犯罪に手を染めた男、離婚寸前の夫婦、わけありの娼婦、死期が迫った老人。
東日本大震災で生き別れた少年を探してひたすら南に向かう一匹の犬を、旅路の途中で出会った人々が食べさせ、動物病院へ連れ行き、心の内を語って聞かせて可愛がる。
名前もその時々によって変わすが、犬はすべてを納得ずくのようにその時々の飼い主に寄り添う。
やがて人々はこの犬とともに過ごすうち、犬が自分ではない誰かを探して長い旅をしているのだと悟り、犬の幸福と無事を祈って送り出す。
リレーした人々は気づいていないが、人々は犬によって癒され、生活が確実に本来あるべき姿に正しく落ち着いていく。
それは人々が犬に気を止め、世話を焼き、愛情を注ぐうちに自分本位の果てに陥っていた生活が変わった結果のように思われる。
そういえば、作中で誰かがこの犬を、神の使いと言っていたような気がする。
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