なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』/東畑開人/新潮社/1,760円(税込)外部リンク 
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著者はカウンセリングルームを運営する臨床心理士。

平易で柔らかい文章なのにわたしたちの心のありようを解きほぐしてくれるようで、読んでいて心地よい。
前著「心はどこへ消えた?」で「心は具体的で、個別的で、カラフルなエピソードに宿る」
という言葉に感じ入ってしまったのだが、今回は心のありようをもう少し大きな目線で捉えなおそうとする本だ。

読者とともに心の危機を意味する「夜の航海」にたとえ、前の見えない荒波を、カウンセリングルームでの事例をあげながら、「7つの補助線」で乗り越えようとする。

補助線は「馬とジョッキー」「シェアとナイショ」「働くことと愛すること」など。

たとえば、人の心には「どんどん進め!」という本能的な馬と「待て待て・・」とコントロール
するジョッキーがいる、という具合。
どちらがいいというわけではなく、心は複雑でその両面がある。
それがバランスが崩れたとき、人は心の危機に見舞われる。

「自分の中に複数の声があることを許す。ああでもないこうでもないと時間をかけて考えることを続ける。それが複雑な現実を複雑に受け止めることを可能にしてくれます」

昔の共同体社会であれば大船にのって助け合いながら生きてこれた人々も、現代の小舟化した個人社会は、容易に荒波に飲み込まれてしまう。

心の危機は他人ごとではないのだ。
自分の心とうまく付き合っていくために、著者の補助線は、心の処方箋になっていくことだろう。

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