


「小商いのすすめ」や「「消費」をやめる」など行き過ぎた資本主義を批判しながらも身の回りの小さな共同体で豊かになっていくことを提言しづけている著者。
「共有地をつくる」はその実践編ともいえる一冊。
高齢の父親を介護して看取った後、長年経営してきた会社をたたみ、残された借金を手持ちの金融資産で片付けると無一文に、という個人的な体験をもとにして書かれている。
そのあと著者は「隣町珈琲」という小さな喫茶店を始めるのだが、立ち退せざる得なくなる。
新規物件など探す余裕もなく途方に暮れていたときに湧いてきたアイデアは銀行からの融資でもクラウドファンディングでもなく、「喜捨」を募る「勧進」。
網野善彦の「無縁・公界・楽」を援用し、「勧進」の原理を説く。
曰く、収益をあげるための「勧進」は詐欺のようなものだが、「場」を維持してほしいと願う人に賛同され支えられること。
結果、多くの勧進があつまり、新しい喫茶店を「共有地」として運営することになる。
結果、多くの勧進があつまり、新しい喫茶店を「共有地」として運営することになる。
地域に「共有地をつくる」。
著者の考える共有地とは
「自分の私有しているものを、他者と共有できるような場所のこと」。
「誰もが、自分が使わなくなったものの所有権を解除すること」。
資本主義社会にどっぷりとつかっている私たちには理想論のようにも響くことがあるが、実際の経験に基づく著者の言葉には説得力があり、これからの地域のありように一石を投じるように思うのである。
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売り切れの際にはご容赦ください
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