


歳を重ね、自身の体調不良や介護の大変さを周囲から聞くようになってきた。
元気でいてほしいという気持ちを伝えたくて、気の利いた言葉を探すけど、なかなか見つからない。
親しい人がつらいのは自分もつらく、悶々としてしまう。この話を友人にしたら、気の利いた言葉なんていらない、聞いてあげればいい、寄り添えたらいい、と言ってくれて心が少し軽くなった。本当にそう思う。
親しい人がつらいのは自分もつらく、悶々としてしまう。この話を友人にしたら、気の利いた言葉なんていらない、聞いてあげればいい、寄り添えたらいい、と言ってくれて心が少し軽くなった。本当にそう思う。
書店の歌集、詩集フェアでこの本に出会った。なんとはなしに開いたページの五行詩が、「強い」だけではない、しなやかさを感じる強烈なメッセージをくれた。
本の帯で、谷川俊太郎さんが「彼のことを誇りに思う」と書いている。私も同じことを感じた。勝手に誇らしく思ってしまう。病のベッドから、彼は自分を、母を、家族を、自然を、世界を、心を、人生を、五行詩にあらわす。苦しさもどかしさの中でこんなにも凛とした彼。旗印を掲げ、すっと立っている精神。
出会えてよかった詩集。胸の引き出しにしまって大切にする。人のつらさに寄り添いたいとき、寄り添う側にも心の体力がいると思う。彼の凛とした魂の言葉が私に力をくれると思う。
詩は読まないという方も、一度は手に取ってみてほしいと思います。詩を読むというより、五行にこめられた思いを読む、という風です。多くの人に出会ってほしい一冊です。
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