


第二次世界大戦終結後間もなく東西冷戦がはじまったころ、ソ連からアメリカへ移住したイリーナはCIAのタイピストに採用される。
だが、CIAは密かにイリーナのスパイとしての才能を見出し、父を共産主義に殺された過去を持つ彼女に特殊任務を与える。
その任務とは、ソビエトで発禁となっている小説「ドクトルジバコ」をソ連国民に普及させ、言論統制を内側から崩壊させていくというものであった。
現在の置き換えられるスパイストーリーのスリルもさることながら、登場人物たちの個性やCIAの裏側も興味深く、冷戦の悲劇は胸を打つ。
ちなみにこの「ドクトルジバコ作戦」は実際に行われた作戦である。
文学の力を武器にするということ自体、書店人としては感慨深く、深く心に残る作品となった。
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