


傑作。
圧倒された。
圧倒された。
角田光代さんはなぜこんなにもリアルティのある物語が紡げるのだろう。
自由とか権利だ主張だとかが当たり前でなかった時代に生まれた女性の、戦時から平成まで、十代から四十余年の人生の物語。
「世間」が目まぐるしく変わる中で、とまどい流されているようにみえる主人公だが、その姿が時に母に重なり、時に現在や未来の自分に重ね、その子ども達までもが自分に重なった。
まるで自伝を読むかのように、諦めたり許したり、みじめに情けなく思ったり、自分自身を肯定したり、を激しくしながら身にひきつけて読んだ。
あの時に思ったことを思い出し、老いた時に思いを馳せ。
あの時に思ったことを思い出し、老いた時に思いを馳せ。
主人公は不幸だったろうか。
私は幸せなのだろうか。
何をもって幸せとよぶのだろうか。
幸せは点のものだから、幸せな人生も幸せじゃない人生もないんだろうか。
幸せは点のものだから、幸せな人生も幸せじゃない人生もないんだろうか。
胸に穴があく感じと、なのに妙に清々しい、嘆息しか出ない読後。
物語ではなく、本物の人生を歩いた気分。
人生への見方がひとつ、深まった。
人生への見方がひとつ、深まった。
秋の夜長にぴったりな重厚な一冊です。
ぜひこの秋、お手にとってみてください。
ぜひこの秋、お手にとってみてください。
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売り切れの際にはご容赦ください
