


江國香織さんの旅にまつわるエッセイ集。
江國香織さんの小説も日常を綴ったエッセイですらも、日常のあわいを超えて魂の旅にいざなうような浮遊感をもっていると思う。
旅そのもののエッセイならなおのことで独特の美しい文章とともに、心が浮遊する。
旅そのもののエッセイならなおのことで独特の美しい文章とともに、心が浮遊する。
日帰り旅についての考え方がとても面白かった。日帰り旅行と一日がかりの
行楽の違いはなに?
たとえば遊園地や水族館に一日がかりで出かけても日帰り旅行とは言わない気がする。でも山や川に出かけて足先を水にひたしたり、木々を眺めて風の音を聞いたりすれば、それは日帰り旅行と呼ばざるを得ない。2つの違いは心の動きで伸縮自在。
どんなに近くにでかけても、「旅」と呼びうることもある。
どんなに近くにでかけても、「旅」と呼びうることもある。
一人旅や仕事で出かけた遠方で、心細さを感じることがある。
そんなとき、江國香織さんは寂しさより自由を感じるすべを持っている。
たとえ、寂しさと自由が同じものだとしても、と言う。
そんなふうに、時に不穏なことをすらりと言ってのける。
そんなとき、江國香織さんは寂しさより自由を感じるすべを持っている。
たとえ、寂しさと自由が同じものだとしても、と言う。
そんなふうに、時に不穏なことをすらりと言ってのける。
しなやかに立つ凛とした姿が見えて、感受性の眠っていた部分が刺激され、揺り動かされる。旅に出たいな、と思う。
たとえ散歩のような近さであっても、心細くても、自由にしなやかに、物事を感じたい。
木々が色を纏うこんな季節に、旅に想いを馳せられる、おすすめの一冊です。
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