『編めば編むほどわたしはわたしになっていった』/三國万里子/新潮社/1,650円(税込)
時々全く知らない人のエッセイが読みたくなる。本屋さんを眺めていてピピっとセンサーにひっかかる。今回もそうやって出会った本だったけれど、金魚を釣るつもりでクジラを釣ってしまった!という気分。
三國さんの文章には「書かなかったこと」に雄大な世界がひろがっている。書かれる部分にはユーモアとさばさばした日常の断片が散りばめられている。
一人の女性の奥行きのある人生、深みを体感できるエッセイで心が掴まれた。
私もこども時代や両親のこと、親しい人や家族のことを語るとき、こんな風に語れたらいいなあ、なんてことも思った。
私もこども時代や両親のこと、親しい人や家族のことを語るとき、こんな風に語れたらいいなあ、なんてことも思った。
230ページの本に何十倍もの世界がある。読む手に力がこもり、心が開放されていくような気持ちのよい読書。
三國さん、ありがとう。すてきな時間と文章のお手本をもらった。
三國さん、ありがとう。すてきな時間と文章のお手本をもらった。
生まれて生きて今立っている自分を認めてあげたくなるような、「生」が愛しくなるようなエッセイ。
編み物への興味は関係ありませんので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです!
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